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イタリアンレストラン 『GENTILE』青木 優さん

更新日:2022年4月19日

(「ふじのくに料理屋キッチン」より https://www.fujinokuni-kitchen.com/story)


青木 優さんの営むイタリアンレストラン「GENTILE(ジェンティーレ)」には、お客様が来てすぐ腰かけられる、気軽なカウンター席がある。会話を楽しみ、カウンター越しに相手の様子を見て、これぞという旬のおすすめを出すスタイルが「お寿司屋さんみたいだね」と評されることも。食べることが好きでこの世界に入ったが、人と会話することも同じくらい大好きだという青木さん。お客様との出会いは一期一会、即興性の高いもの。だからこそ、相手が満足するものを、楽しく食べてもらいたい、という思いがある。


青木さんの考えるレストランの在り方、そして県外出身だからこそ気付く静岡の食の魅力について、存分に語っていただいた。


静岡イタリアン GENTILE(ジェンティーレ)

住所:静岡県静岡市葵区両替町1ー3ー39 MA館B1

電話:054-255-5577


健康的な「静岡イタリアン」をどうぞ


静岡県に住み始めた直後、しみじみと「カブがおいしいなあ」と思ったことがある、と話す青木さん。「住んでいる人は慣れてしまって気づかないかもしれないけど、静岡は野菜がすごくおいしいんですよ」。この地に移り住んで、修行時代に親方からよく言われた「何を食べているかわからない料理を作るんじゃない」という言葉が実感できた。素材が良ければ、シンプルな調理法が一番おいしさを引き出す。「極端な話、味付けは塩だけで十分になります」。由比港に通って魚の名前を覚え、生産者と知り合って食材の知識が増えた。地産のものを使った「静岡イタリアン」はお手のものだ。


 青木さんはお客様と長く付き合いたいと考えている。だから、動物性の油脂はほとんど使わない。「食べることが好きなお客様が多いから、これからもずっと食事を楽しんでもらえるように、最近では胃もたれしない、低糖質の料理を工夫するようになってきました」


サン・セバスチャンのような、美食王国 静岡に


東京で働いていた頃と一番違うのは「距離感」だという青木さん。生産者との距離感、シェフ同士の距離感、お客様との距離感、そのすべてがとても近い。食材も人ありき。距離感が近いから、生産者の人柄まで透けて見える。誠実な人柄を知り、「だからおいしいんだな」と納得し、信頼関係が生まれていく。静岡食材×人という掛け算ができる。


1,000円台のランチのパスタから、5,000円、1万円台のディナーまで、レストランを訪れるお客様の動機や目的はさまざま。青木さんは「記念日のお祝いで来た方にも、ランチで気軽に訪れた方にも、満足してもらいたい」と考えている。料理人になりたての頃は気合を入れて「どうだ! 」と言わんばかりの料理を出していたと笑うが、今は肩の力を抜いて、自然体で料理に向き合う。


おいしいものが好きなお客様は、ジェンティーレも訪れるが、評判の高い他の店にも通う。「刺激になりますよね。静岡市内だけでも志の高いシェフ仲間が多くて、『一緒に頑張ろう』と思えます」。青木さんはお客様の他店への回遊も歓迎し、みんなで静岡を盛り上げ、この県が美食王国になればいい、と考えている。

スペイン北部の小さな街にもかかわらず、名だたるレストランが密集する「サン・セバスチャン」のように。


こんにゃくの魅力は和食にとどまらない


「こんにゃくって、とてもいい食材なんですよね」と、青木さん。最近、お客様の中には健康を考えて「締めのパスタは食べない」という方が増えた。ニーズに寄り添い、ヘルシーなイタリアンを作るために、糖質やカロリーオフでありつつ、おいしい食材はないだろうかと考えている時にめぐり合ったのが、岩崎蒟蒻店のこんにゃく。


「こんにゃくといえば和食の煮物や、おでんを連想する人がほとんどかもしれません。でも、ブイヨンを染み込ませたらどうでしょうか。十分イタリアンの食材になりそうでしょう?」



青木さんのこの日のこんにゃくのメニューは、「牛ほほ肉とバタ練り蒟蒻の赤ワイン煮込み 旬の野菜添え」。シンプルに焼き、滋味深さを引き出した野菜に、味のしみたこんにゃくと牛ほほ肉。味わいはまさにイタリアンだ。「コンソメ、イカ墨、カレー、トマト煮、煮込みであれば、こんにゃくは何にでも合います」。それでいて、低カロリーで食物繊維が多く、満腹感にもつながる。青木さんの求める健康食にぴったりなのだ。



青木 優

1976(昭和51)年生まれ、東京葛飾区出身。昔から食べることが好きで、高校卒業後、調理専門学校へ進学。修業先のイタリア料理店が伊豆へ出店したのを機に、東京から伊豆に移住。「リストランテ ラ・ヴィータ・エ・ベッラ静岡伊勢丹」にて料理長を務めた後、独立。2016年、「ジェンティーレ」をオープンする。静岡で活躍するシェフと生産者が集うWASABi静岡にも参加。

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